先日購入したHPのノートパソコン『HP ENVY x360 15-ee0020au』がすこぶる快調です。
日記に書いた数日後、「13インチモデルの在庫が無い」と連絡が来たので仕方なく15インチモデルを購入したのですが、AMD Ryzenプロセッサによる高い処理性能、RAM(メモリ)は16GBでストレージも512GBと余裕のある構成、これで約10万円とコスパの高さに驚かされています。
さて、そんなENVYの感想はまた改めて後日にまとめて紹介するとして、今回お話しするのは、これまでの愛機『ASUS ZenBook Flip S』と今回購入したENVYの2台を使って気付いたWindows機におけるUSB-C充電のちょっとした悩みと、その悩みを解決してくれたLETSCOMのUSB PD対応USB-C充電器の紹介です。
- USB-C充電対応ノートパソコンの仕様の違いについて
- USB-Cハブを中継して使う際の注意
- LETSCOM USB Type-C急速充電器
- LETSCOM USB Type-C急速充電器 出力テスト
- 大出力のUSB-C充電器を試してみたい人におすすめ
USB-C充電対応ノートパソコンの仕様の違いについて
私はこれまで、USB Type-Cでの充電が可能なノートパソコンを、Chromebookでは3機種、Windows機では2機種を購入しました。
その中で、OSとハードウェアのどちらによる影響かは不明ですが、電力供給時の仕様に違いがあることが分かったのです。
まず、私が使用してきた3機種のChromebookでは、10W程度の小さな電力でも、低速ではありましたがUSBからの充電が可能でした。
それに対してWindows機はというと、USB-Aから電源を供給する際や、それどころかUSB-CでUSB PD(Power Delivery)対応を謳うアダプター・ケーブルの組み合わせだとしても45W未満の出力ではまったく充電されないという仕様になっていました。
これは、消費電力が給電される電力を上回ることで結果として充電されない…ということでなく、そもそも電力がアダプターから一切供給されなくなるのです。
具体的には、USB PD対応の充電器でも最大出力が18W・30Wの機器だと電力供給が行われず、45W・61W・65Wの機器ではPCが正常に充電されました。
以前はこれをZenBook Flip S固有の仕様なのかと思っていたのですが、今回購入したENVYも同様でしたので、Windows機では共通の仕様なのかもしれません。(このあたり、詳しい方がいましたらコメントやSNSで教えていただけると助かります!)
というわけで、ENVYをUSB-Cで充電するには45W以上の出力が可能な充電器が必要になるということが分かりました。
USB-Cハブを中継して使う際の注意
45W以上の出力が可能な充電器があれば良いと分かりましたが、これは充電器とPCを直接繋いだ場合のお話です。
というのも、現在の私のPC作業環境は、こんな感じ。
カフェや新幹線など出先でPC作業をする機会が外出自粛でまったく無くなり、そのため携帯できるノートパソコンでありながら、キーボードやモニターなどなどを繋いで、さながらデスクトップPCのようにして使っています。
そうした機器を繋ぐのに役立つのが、USB-Cで接続するマルチハブ(ドッキングステーション)です。
メインキーボードであるREALFORCEと、動画編集作業のマクロ操作を割り当てている左手用キーボード、そして外部モニターに映像を出力するHDMIケーブルをハブに繋いでいます。
さて、この時にちょっと考えておきたいのが「ハブへの電力供給方法」です。
ハブをそのままPCに繋いだ場合、ハブを動かすための電力はPCから供給されます。
この場合は当然ながらPCのバッテリー消費も大きくなりますし、何より「供給できる電力にムラが出て、接続した機器の動作が不安定になる」といった現象が出ることも…。
それに対し、電力供給用のUSB-C端子がついたハブですと、ハブを動かすための電力を外部から安定して供給しつつ、PCへの充電も同時に行えるというメリットがあります。
ただし、気を付けないといけないのが、ハブを中継することによる電力の損失です。
たとえば65WのACアダプターから、消費電力12Wのハブを間に挟んでPCへと電力を供給する場合、65-12で53Wとなります。
これまでデスク上で使用していたUSB充電器がAnkerの『PowerPort Atom III Slim (Four Ports)』だったのですが、このUSB-Cポートの最大出力は45Wです。
つまり、PCへと直接繋ぐ際には充電できるのですが、ハブを間に挟んだ際にはPCへと送られる電力が45Wを下回ってしまい、そして先ほど解説した45W未満の電力の仕様からPCの充電ができなくなってしまうのです。
そのため「外部からハブに電力を供給しつつ、ハブからPCに送られる電力でPCを充電する」という状態にするには、ハブによる損失分を考慮して、余裕を持った大きさの出力が可能な充電器を用意する必要があります。
前置きが長くなりましたが、今回紹介するのはその問題を解決してくれた、最大100Wもの大出力が可能なUSB PD対応USB Type-C充電器としては最安クラスとなるLETSCOMの商品です。
LETSCOM USB Type-C急速充電器
今回購入したのはLETSCOMのUSB Type-C急速充電器です。
GaN(窒化ガリウム)を採用した大出力かつコンパクトな充電器で、出力端子はUSB Type-Cが2ポートのみの非常にシンプルな構成になっています。
1ポートのみ使用時の最大出力は100Wで、MacBookに付属するという最大97Wの純正充電器に比べてサイズ・重量ともに約30%小さくなっているのだとか。
最大出力61Wの『RAVPower RP-PC105』と比較してみても、大きさはほとんど変わりません。
ちなみに重量はLETSCOMが205gで、147gのRP-PC105に比べるとズッシリ感こそありますが、出力は1.5倍以上なのに大きさがほぼ同じというだけでも驚きです。
LETSCOMの最大の特徴は、なんといってもそのお値段。
100Wの出力を持つUSB-C充電器としては最安クラスとなっており、Amazonでの販売価格はこの記事を書いている時点ですとクーポン適用で3,799円となり、さらに430ポイント還元で実質3,369円です。
同梱されているのは以下の通り。
- LETSCOM 100W 急速充電器本体
- 取扱説明書(日本語対応)
- 保証カード
USB-Cケーブルは付属していないので、別途用意する必要があります。
最近は100W出力に対応したケーブルもだいぶ手頃になってきているのもあって、ケーブルとアダプターを別々で買っても5,000円以内で収まります。
ちなみに私は、UGREENの1mを使用しています。
100W出力に対応したUSB-C充電器の価格相場
100W出力に対応したUSB-C充電器となるとまだまだ選択肢が少なく、AnkerやRAVPowerといった有名メーカーでは2021年4月時点ですとまだ製品がありません。
そのほか、大出力充電器の有名どころではHyperJuiceやCIOがありますが、これらは8,000円オーバーとお値段がグッと跳ね上がります。
そう考えると、充電器単体で3,000円台、ケーブルを買ってもアンダー5,000円というLETSCOMのお値段はかなりの魅力ですね。
また、AmazonではLETSCOMとよく似たデザインの充電器が多数のメーカーから販売されており、仕様も非常に酷似しています。
中でもこのHypprは2,999円でさらに今だけ5%オフで手に入るとのことで、1円でも安く手に入れたい・USB PD対応充電器をとりあえず試してみたいといった人にぴったりです。
LETSCOM USB Type-C急速充電器 出力テスト
それでは、LETSCOMのUSB-C充電器を実際に使用した検証結果をまとめていきます。
まずはENVYに直接繋いだ場合。
この時は19.4Vで3.8A前後を推移しており、約80Wが出ている計算です。
これまで所有していたUSB-C充電器の中で最も大きい出力の製品でも61W、ENVY付属のACアダプターも65Wでしたので、LETSCOMから直接繋げばENVYを最も短時間で充電できます。
続いて、ハブを中継させた場合を見てみましょう。
検証に使用した『Anker PowerExpand 6-in-1』の最大入力は65W、ハブからPCへの最大出力は53Wとなっています。
すると、ハブからPCへの出力は19.2Vで2.5~2.6Aとなり、仕様とほぼ同様の入出力となりました。
ハブからENVYへと45W以上の出力が確保されているため、電力供給がしっかりと出来ていますね。
これで「ハブに外部から電力を供給しつつ、PCを充電する」という当初の狙いが達成できました。
LETSCOM USB Type-C急速充電器の注意点
ここで、LETSCOMのUSB-C充電器を使用してみて気になった点も紹介しておきます。
LETSCOMのUSB-C充電器は、2ポート使用時には、それぞれ最大で45W×2で合計90Wとなる仕様です。
そこまでは良いのですが、電力切り替え時に電力供給が一旦止まる点が少々気になりました。
100W×1ポートから45W×2ポートへの切り替えを行う際や、その逆に、片方のポートに繋がっていた機器を外して100W×1ポートの状態に戻る際に、数秒ほど電力供給がストップしてしまいます。
そのため、私のZenBook Flip Sのようにバッテリーが完全にお亡くなりになっているマシンなど、電力供給が一瞬でも途絶えたら落ちるような機器を使う際には注意が必要です。
大出力のUSB-C充電器を試してみたい人におすすめ
気になった点に多少言及したものの、価格に対しての出力の大きさと、持ち運びやすいサイズ感などを考えたら、はっきり言って無視して良いと私は感じます。
というのも、このお値段で100Wクラスの大出力充電器が手に入るというのは数年前には考えられないことでした。
私が購入した時はセールにもなっていて、そのお値段、なんと3,149円です。
出力は大きく、価格は小さくと、技術の進歩には驚かされますね。
大出力のUSB PDに対応したUSB-C充電器も安くなってきたとはいえ、3,000円台で購入できる機種はまだそこまで多くなく、ド定番のスマートフォンアクセサリーメーカー各社からは100W出力が可能な充電器がまだラインナップに存在しません。
USB-Cで充電できるノートパソコンを持っているなら、LETSCOMのような安価な充電器を外出時用やサブ機として試してみてはいかがでしょうか。