週末の夜遅く、ベッドでごろごろと寝転がりながらYouTubeやAmazonプライムビデオをプロジェクターで観る…というのがお気に入りの過ごし方です。
壁いっぱいに大きく投影すれば、視力のあまり良くない私でも眼鏡をかけずに裸眼でそのまま楽しめるのが、サイズの固定されたテレビやモニターには無いプロジェクターならではの良い点ですね。
しかし、大きく投影するにはプロジェクターと壁との距離を離してあげなくてはならず、たとえば100インチに投影したい場合、高価な短焦点プロジェクターでなければ3m程度は必要です。
とはいえ、住んでいる環境によっては3mもの距離を離すのが困難な場合もありますよね。
私の場合、寝室の隣のウォークインクローゼットへと繋がっている通路にプロジェクターを置くことで、距離の確保に成功しました。
それによって壁にでかでかと映し出せるようになったものの、プロジェクターと三脚を通路に置いたことで、ウォークインクローゼットの出入りがしにくくなってしまいました。
大画面で映像を楽しみたいけど、プロジェクターを通路に置きっぱなしにするのは邪魔。だけど毎回片付けて、観る時だけ設置するというのも面倒くさい…。
そんな贅沢な悩みを解決してくれたのが、手のひらサイズのミニプロジェクターでした。
今回は、VANKYOのモバイルプロジェクター『GO300』を紹介します。
- VANKYO GO300 ミニプロジェクター
- VANKYO GO300 ミニプロジェクター 実機レビュー
- VANKYO GO300 ミニプロジェクター 使用感
- YouTubeを手軽に大画面で楽しみたい人におすすめ
VANKYO GO300 ミニプロジェクター
今回ご紹介するのは、据え置きのホームプロジェクターから、簡単に持ち運びできるモバイルプロジェクターまで、幅広く取り揃えているVANKYOのミニプロジェクター『GO300』です。
こちら、レビュー用に商品をご提供いただきました。
VANKYOからは以前にもホームプロジェクターの『V630』をいただきましたが、発色の良さにまず驚き、そして内蔵スピーカーの音質の良さでもう1度驚かされるという大満足な機種でした。
今回のGO300も、その期待を超えてくれるのでしょうか。
GO300はAndroid 7.1.2を搭載した小型プロジェクターで、HDMIによる外部入力やMicro SDカードに入れた映像データの再生はもちろん、プロジェクターのみでYouTubeやAmazonプライムビデオの視聴が可能となっています。
本体には7000mAhのバッテリーを内蔵しており、コンセントに繋いでいない状態でも2~3時間程度は映像を再生できます。
映像品質に関する性能について、解像度はフルHDには対応しておらず854×480pと控えめですが、輝度は300ANSIルーメンと高級モバイルプロジェクターにも匹敵する数値となっています!
ちなみにVANKYOにはさらにコンパクトなプロジェクターの『G200』がありますが、こちらは手のひらにも乗る超コンパクトサイズが魅力なものの、輝度は100ANSIルーメンと低かったため、今回はGO300を選びました。
VANKYO GO300 ミニプロジェクター 実機レビュー
それでは、実際にVANKYO GO300を見ていきましょう。
モバイルプロジェクターを使用するのはGO300が2機種目ですので、他機種との相対比較はあまり詳細には出来ませんが、そのうえでの第一印象は「安っぽくない」でした。
Android搭載のモバイルプロジェクターですとアンダー3万円という価格帯はかなり安価な部類に入りますが、アルミ合金製の本体は決してチープには見えないですね。
円筒型や薄型などモバイルプロジェクターには様々な形状の製品がありますが、GO300のようなシンプルな箱型の方が床やテーブルに直接置きやすいですね。
引用:VANKYO楽天市場店
メーカーのイメージ写真ですとポケットに入れていますが、厚さがそれなりにありますので、このような持ち歩き方をする人はいないでしょう。
VAIO「type P」を思い出すムリヤリ感が個人的にはツボでした笑。
端子類
側面にはフォーカス調整ダイヤルとMicro SDカードスロット、そしてUSB Type-Aが1ポート用意されています。
背面には電源ボタンとDC入力、USB Type-Aがもう1ポートと3.5mmオーディオ出力端子、そしてHDMI端子が1ポート。
底面には三脚用のネジ穴が用意されているので、市販の三脚に固定すれば高さや角度を柔軟に設定できます。
付属品
VANKYO GO300の付属品は以下の通り。
- VANKYO GO300 ミニプロジェクター本体
- ACアダプター
- HDMIケーブル
- 取扱説明書(日本語対応)
- ミニ三脚(現在は付属しません)
以前にはミニ三脚が付属していましたが。現在は無くなってしまったようですね。
とはいえ、「百均かな?」と思ってしまうくらいに非常なチープな作りでしたので、三脚を使って設置する予定であれば自分で用意した方が良さそうです。
ちなみに私は、Tecbossというメーカーの三脚機能付き自撮り棒を使用しています。
一般的な三脚を置いた時に比べてかなり省スペースになるので、通路に置いても邪魔にならない点がお気に入りです。
引用:VANKYO楽天市場店
保証書は付属していませんが、楽天などのVANKYO公式ショップで購入された場合は、購入時の注文番号を連絡することで修理対応していただけます。
また、通常の保証期間は2年間ですが、楽天の公式ショップで商品レビューとショップレビューの両方を書くと、1年間の保証期間延長を受けられるキャンペーンも実施中です。
VANKYO GO300 ミニプロジェクター 使用感
VANKYO GO300を半年ほど使用してみての感想ですが、これは用途次第で評価が大きく分かれそうなプロジェクターですね。
まず、3万円というお値段で300ANSIルーメンの輝度とAndroid OSを搭載しているコストパフォーマンスは圧巻と言って良いでしょう。
「いつでもどこでも気軽に大画面でYouTubeの動画を楽しみたい」といった人には間違いなくおすすめできるプロジェクターです。
一方で、コストカットのために使いにくくなってしまっている面も多く存在します。
たとえばメモリ(RAM)の少なさは、せっかく自由度が高いAndroid OSの足枷となってしまっています。
1GBしか積んでいないメモリの少なさが原因か、Amazonプライムビデオの動作が非常に重く、操作中にアプリが落ちることもしばしば。
このように、強みと弱点がハッキリと分かれる製品ですので、そのほかの良い点と気になる点をそれぞれもう少し挙げてみましょう。
良い点
良い点から紹介すると、リモコンでの操作性の良さは非常に好印象です。
レビューを見ると「リモコンとプロジェクターとの間に障害物があると認識しない」という意見があるのですが、これは工場出荷状態ですとリモコンからの信号を赤外線で受信する仕組みになっているためでしょう。
Bluetooth設定からリモコンをペアリングして接続すると、赤外線でなくBluetooth接続に変更され、リモコンをプロジェクターの方に向けなくても操作ができるようになります。
また、上下左右のカーソルキーだけでなく、リモコンをレーザーポインターのように動かして操作することも可能なので、ベッドに寝転がりながらでも快適に操作できて、これがとにかく快適ですね。
映像や音声の品質についても、もちろん据え置きのホームプロジェクターに比べれば一段劣りますが、サイズ差を考えれば全然アリだと感じました。
音声については3.5mmステレオミニプラグによる有線接続か、Bluetoothによる無線接続で外部スピーカーに繋げられますが、プロジェクター単体でYouTubeを大画面視聴できる手軽さが魅力のGO300に外部スピーカーをわざわざ繋げたいとは思わず、私は内蔵スピーカーでそのまま視聴しています。
気になる点
先に言っておくと、VANKYO GO300の気になる点はかなり多いです。
まずはプロジェクターの定番機能である台形補正関係について。
引用:VANKYO楽天市場店
台形補正とは、プロジェクターで映像を投影した際に生じる傾きを補正し、映像を歪みのない綺麗な長方形へと整える機能のことです。
GO300にはプロジェクター本体の重心の傾きを検知して自動で台形補正をかける機能が備わっているのですが、この精度がお世辞にも高いとは感じられず、手動で行った方が良いという結果になりました。
また、台形補正関係での気になった点として、外部入力では台形補正が効かないというプロジェクターとしては割と致命的な欠点もありました。
台形補正の設定をしていても、HDMIで接続した機器の映像では補正設定が適用されず、プロジェクターを水平に設置していないと見るに堪えない映像となってしまいます。
私の場合、映像を大きく表示するために寝室横の通路から斜めに投影しているため、補正なしでは正直言って使えません。
ちなみにこの仕様に気付いたのはAmazonのHDMIスティック型端末『Fire TV Stick』を繋いだ時でした。
Fire TV Stickと組み合わせた結果
先述した通り、GO300の処理性能は貧弱で、YouTubeなら何とか視聴できますが、Amazonプライムビデオアプリですと動かすのがかなり厳しくなります。
そこで、GO300のコンパクトさを犠牲にすることなくプライムビデオをさくさく視聴できるようにと考えて、Fire TV Stickを組み合わせました。
その結果、外部入力ですと台形補正が効かない仕様が明らかとなったのです。
さらに付け加えて言うと、GO300のUSB端子からですと電力の供給量が足りずにFire TV Stickを起動できないため、Fire TV Stick用に別途USB電源を用意してあげる必要がありました。
USBで充電したい
自由に持ち運んで場所を選ばず使えるのがモバイルプロジェクターの魅力ですので、「プロジェクター本体をUSBから充電できるかどうか」はその機種の評価を分ける大きなポイントだと考えています。
USB-Cポートからの充電に対応している機種ならばモバイルバッテリーからも充電できるため、組み合わせれば映画2~3本も余裕で再生できます。
GO300はというと専用のACアダプターを繋ぐ形式のため、AC出力を備えたモバイルバッテリーやポータブル電源が無ければ出先での充電が行えません。
そうしたバッテリーはAC出力ポートの分だけサイズも大きくなりますし、GO300のACアダプターも持ち歩く必要があるため荷物が増え、せっかくの携帯性の高さが失われてしまいます。
もちろん、大きなバッテリーを使えばFire TV Stickの分の電力もそちらから供給可能です。
しかし、そこまでするならAndroid非搭載の小型プロジェクターにFire TV Stickを繋いだ方が動作も快適になりますので、その使い方でGO300を選ぶ必然性は無いというのが私の結論です。
ですので、GO300は単体でYouTube視聴用として割り切って使うのがおすすめのプロジェクターですね。
YouTubeを手軽に大画面で楽しみたい人におすすめ
多機能なAndroid OSとはいえ、本体の処理性能が決して高くないため、快適に使える用途はかなり限られている印象です。
ただ、私の場合は大画面で楽しみたいコンテンツがYouTubeのみでも十分だったため、処理性能の低さが決して大きなデメリットにはなりませんでした。
YouTubeだけでなくプライムビデオを頻繁に利用したい場合には、Fire TV Stick+小型プロジェクターの組み合わせの方がおすすめですね。
逆に、用途をYouTube視聴に絞るなら、約3万円という価格帯で高い輝度を備えたVANKYO GO300はコスパ最強のモバイルプロジェクターとなります。
そして、外へと持ち出す場合はもちろん、室内でしか使用しない人にもこのコンパクトサイズによる省スペースっぷりは大きな魅力です。
前々からプロジェクターに興味を持ちつつも置き場所の都合で諦めていた…そんな人にこそ、モバイルプロジェクターを据え置き機として使うという選択肢をおすすめしたいですね。