本日は、AIエクササイズバイク『NEXGIM-MG03』を紹介します。
いわゆる「フィットネスバイク」なのですが、機能面・性能面でなかなかに面白い商品となっています。
そんなMG03をメーカー公式ショップの楽天NILEからいただきましたので、元・ロードバイクガチ勢の視点で良い点もイマイチな点もすべてお伝えしていきます。
- AIエクササイズバイク『NEXGIM-MG03』とは
- NEXGIM MG03は10分程度での組み立て可能!
- NEXGIM MG03の使い方
- NEXGIM MG03を3ヶ月使用してみての感想
- NEXGIM MG03はフィットネスバイクとして非常に優秀!
- 不満点を解消した新モデル『QB-C01』が登場したが重量とお値段もアップ
- コスパ重視モデル『MG-061E』も出たけど…
AIエクササイズバイク『NEXGIM-MG03』とは
AIエクササイズバイク『NEXGIM-MG03』は、クラウドファンディングサイトのMakuake(マクアケ)で目標金額の1646%もの出資金を集めた大注目商品です。
現在は一般販売されており、Amazonや楽天市場等のネットショップでも購入できます。
さらに6万円弱というフィットネスバイクとしてはやや高めの金額設定でありながら、Amazon・楽天市場のどちらも評価は星4.5つほどとかなりの高評価となっています。
さて、クラファンでは目標の15倍以上の出資金を集め、大手ショッピングサイトでも非常に高い評価を得られているMG03とはいったいどんな商品なのでしょうか。
まずはMG03の仕様を、私が特に気になるポイントもピックアップしながら紹介します。
AIエクササイズバイク『NEXGIM-MG03』基本仕様
MG03の仕様を表にまとめてみました。
商品名・品番 | NEXGIM-MG03 AIフィットネスバイク |
---|---|
サイズ | 約880×505×1210mm(約0.5畳) |
重さ | 約28kg |
適応身長 | 150~190cm |
耐荷重 | 110kg |
ハンドル高 | 121cm |
サドル高 | 約68~98cm |
負荷式 | 電動モーター式 |
給電方法 | コンセントとUSBに対応 |
負荷調整 | 80段階 |
連続使用時間 | 無制限連続使用可能 |
接続方式 | Bluetooth |
適応身長は150~190cm、耐荷重は110kgですので、一般的な体型の日本人であればほとんど問題無く使えるのではないでしょうか。
150cmからとはされていますが、身長148cmの女性でも問題なくトレーニングできます。
ただし、無段階で柔軟に調整できるサドル高に対し、ハンドルの高さは調整ができないため、小柄な方が使う際にはハンドルがかなり高く感じてしまうと思われます。
それではMG03の2つの大きな特徴を見ていきましょう。
静音かつ高負荷のトレーニングを長時間行える
MG03は負荷ユニットに電動モーター式を採用しており、細かい負荷の制御を行いつつも、動作音は非常に静かなことが大きな特徴です。
賃貸に住んでいる方でも騒音を気にせずに朝でも深夜でも運動できるのは嬉しいですね。
ロードバイク+固定ローラー台の組み合わせと比べると、音と振動の少なさは雲泥の差です!
また、電動式なのですが、なんとモバイルバッテリーからも給電が行えるため、コンセントの場所や配線に悩まされません。
スマートフォンと連携して楽しく、そして効率的に運動できる
もう1つの大きな特徴が「AIエクササイズバイク」という名の通り、その人に合った負荷をAIが自動で設定してくれる機能です。
スマートフォンに専用アプリをインストールしてBluetoothで接続することで、以下のような科学的なトレーニングを自宅で行えます。
- FTPの計測テスト
- テスト結果に合わせたコースプランの作成
- 自動での負荷制御
ちなみにFTPとは、ざっくり言えば「ライダーが1時間維持できる限界出力」となります。
私が最も真剣に自転車で走っていた頃の数値を参考に出しますと、Mt.富士ヒルクライムでシルバーを達成した時には320Wほどでした。
話を戻して、専用アプリではこうしたAIトレーニング機能のほか、運動時間や走行距離、消費カロリーといった走行データも記録できます。
また、Apple WatchやHUAWEI WATCHといった「HRS」という規格に対応したデバイスがあれば心拍数の記録も同時に行えるのですが、残念ながら私の使用しているXiaomi Mi スマートバンド5は対応していないため未検証です。
NEXGIM MG03は10分程度での組み立て可能!
メーカーの説明によると「本体のコンパクト化と軽量化に成功」や「掃除の際に少し移動させたり、万が一の引っ越しの際にも重すぎない」とありますが、MG03の本体重量は28kgとそれなりに重たいです。
軽すぎると運動時にバランスを崩す原因になるのかもしれないため不満はありませんが、力の弱い方などは2人以上で開封・組み立て作業を行うことをおすすめします。
PCケースなど、こういった大きい物を箱から出す際には、「箱から商品を抜く」のでなく「箱を引っ張り上げる」とした方が楽ですね。
物を倒さないようにはくれぐれもご注意ください。
MG03の組み立てですが、ほぼほぼ出来上がった状態で送られてきます。
自分で取り付けるのはハンドルとペダル、そして脚部パーツくらいですので、組み立ては10分もあれば十分でしょう。
ちなみに、組み立てに必要な六角レンチやスパナといった工具も同梱されています。
NEXGIM MG03の使い方
それではMG03で実際にトレーニングをしてみましょう。
MG03を電源に接続したら電源スイッチをON!
専用アプリとの連携がこの商品の売りでもありますが、スマホと接続せずにバイク単体でも使えるのが地味に嬉しい点です。
スマホアプリと連携するタイプのローラー台を以前に使用していたのですが、アプリと連携しないと負荷を掛けられないうえ、そのアプリの完成度がとにかく低い点が悩みの種でした。
接続はなかなか上手くいかないわ、起動時に位置情報が毎回リセットされるわで、結局面倒臭くなって使わなくなってしまったという苦い思い出がありました。
その点、MG03はバイク単体でも負荷を80段階で自由に調整できるので、乗りたい時にいつでも乗れる気軽さがありがたいです。
負荷の調整はコントローラーユニットのダイヤルをくるくると回して行います。
表示されているデータは、画面をタップするか押し込むことで変更できます。
このあたりの操作性はシンプルでわかりやすいですね。
バイク単体で表示できるデータは以下の通りです。
- BluetoothのON・OFF
- トレーニング時間
- 負荷レベル(0.5~40の80段階、0.5刻み)
- 出力
- ペダル回転数
このほか、専用アプリをスマートフォンやタブレットにインストールし、BluetoothでMG03と接続することで走行データの記録も行えます。
MG03のハンドルにはスマートフォン・タブレットホルダーを付けられ、ハンドルの裏にはUSB端子も用意されていますので、スマートフォンを充電しながらアプリを使用できます。
専用アプリ『NEXGIM intl.』との連携で出来ること
NEXGIM intl.
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専用アプリ『NEXGIM intl.』で出来るトレーニング内容を詳しく見ていきましょう。
まずはFTPの計測から。
「負荷が少しずつ上がっていく中で、どのくらいまでケイデンス90rpm前後をキープできるか」というテスト方式です。
前半は負荷も弱いのですが、後半はなかなかの強度まで上がってきます。
そのうえ20分近く回し続けているわけですので、運動不足の身からするとかなりしんどいですね。
テストが終了しますと、このように結果が表示されます。
現在の私のFTPは202Wとのことですが、いやぁ…毎日トレーニングをしていた頃との差がひどいですね。
MG03を使って、少しずつ以前の肉体を取り戻していきたいものです。
『NEXGIM intl.』で体力に合わせたトレーニング
『NEXGIM intl.』アプリのトレーニングメニューには大きく分けて3種類があります。
そのうちの2種類『トレーニング』『トレーナーコース』では、FTPテストで計測した値を基準に強度が変動します。
たとえば【FTPの80%を30秒→FTPの50%を15秒】といったトレーニングの場合、FTPが200Wの人ならば【160Wを30秒→100Wを15秒】という内容になります。
FTPが半分の100Wの人ならば単純計算でそれぞれのタイミングで求められる強度が半分になる、ということですね。
トレーニング中は常に指定の強度になるよう、ペダルの回転数に合わせて負荷が自動で変動しますので、自分が回しやすい速度でペダルを回すだけで適切な強度のトレーニングが行えてしまいます。
もう1つの『ストリートコース』では、実際の地形データをもとに作成されたコースが収録されており、上り坂や平坦道など地形に合わせて負荷が変化するほか、映像も流れるので視覚的にも飽きずに楽しみながらトレーニングが行えます。
NEXGIM MG03を3ヶ月使用してみての感想
ここからは、MG03を3ヶ月使用してみての感想です。
NEXGIM MG03の良い点
まずは良い点からですが、第一印象で良かった点はそのまま好印象でした。
動作音の静かさ、細かい負荷調整が可能な柔軟さ、アプリを使わなくても使える気軽さなど、純粋にフィットネスバイクとして非常に優秀です。
その結果、この3ヶ月間はアプリを連携することがあまり無く、バイク単体で使用することがほとんどでした。
とはいえこれは決してアプリが使いにくいわけでは無く、何も準備する必要も無く、バイクに跨ればトレーニングを始められるという気軽さ・手軽さが気に入っているためですね。
加えて私は、以前のトレーニング習慣のおかげで出力と回転数と時間を自分である程度管理できる、という理由もあって自動の負荷変動機能が無くとも問題なく使用できています。
また、耐久性についても好印象ですね。
某メーカーのフィットネスバイクは「高負荷での使用は30分以下にすること」などの制限がありましたが、MG03は負荷レベルに関係なくどれだけでもトレーニングが行えます。
体重3桁の私がガシガシとペダルを回しても、3ヶ月経過した時点では故障や異音も出ていません。
故障やトラブルなどあればまた追記させていただきますが、今後の検証が楽しみです。
NEXGIM MG03のイマイチな点
それではMG03のイマイチな点を見ていきましょう。
ハンドル位置が高い・調整不可
まずはハンドルの高さについてです。
ハンドルの位置がかなり高めで、しかも調整できない点がやはり不便ですね。
小柄な人が高く感じるのはもちろん、身長174cmの私も「ロードバイクのポジション」を求めるともう少しハンドルを低くしたいというのが正直な想いです。
また、ハンドル位置が高いことによる影響がもう1つあります。
その話の前に、MG03の負荷のクセについて先にお話しします。
立ちこぎ時の負荷に違和感
ペダルをくるくるとリズミカルに回していると負荷が均等に掛かり続けるのですが、立ち上がってグッグッと「踏むペダリング」になると、力が掛かっていない上死点・下死点ではなぜか負荷が途端に弱くなるのです。
そのせいで、なんと表現しましょうか…「抜ける」ような感覚になります。
坂道を上っている時のような一定の強い負荷にならず、ペダルを踏む力が弱まった瞬間に、まるで同時に坂道が平坦道になってしまったかのような抜け感があるのです。
それならば立ったまま「回すペダリング」をすれば良いのではと思い試しましたが、すると高いハンドル位置が邪魔になり、これまたNGでした。
立ちこぎが出来ないということはつまり、常にシッティングでペダルを回し続けないといけないのですが、そこで問題になってくるのが股間の痺れです。
シッティングで漕ぎ続けると股間に痺れが出てくる
サイクリストの間では股間の痺れは割とポピュラーな問題ではありますが、サドルやハンドルの高さや角度に加え、重心の位置などポジションを適切な状態に整えつつ、シッティングとダンシングを適度に織り交ぜながら走っていれば股間の痺れ問題はクリアーできます。
実際、私も自転車の知識と経験がある程度ついた頃には、ロードバイクでのサイクリングやレース、ローラー台トレーニングで股間が痺れるようなことはまったくありませんでした。
しかし今回のMG03ではアップライトなポジションを強いられる・立ちこぎが出来ないという2つの原因が重なり、20分以上継続して回すと痺れ始めてきます。
実験として40分ほど連続して回してみたところ、正座をした後の脚のように触っても感覚が無く、その後にじわじわびりびりと感覚が戻っていき「あ、血流が滞っていたな」とはっきり感じ取れるほどでした。
これはマズイと考え、厚手のパッドを取り付けてみましたが、痺れ問題は解決されず。
サドルを穴あきタイプの物に変更してみたいところですが、あいにく余っているサドルが無かったので、この検証はまた後日に行ってみようと思います。
スマートフォンホルダーの作りがチープ・角度調整も出来ない
あとはスマートフォンホルダーの作りがチープ、といった点も気になるところでしょうか。
角度変更は出来ず、また固定もゴム紐を通しているだけで、お世辞にも使いやすいとは言えないシロモノでした。
ハンドルに固定するタイプのスマートフォンホルダーを使って取り付けても良いかもしれませんね。
他の方のレビューを見てみると、DHバーを取り付けて肘置き兼タブレット置き場として使用されている方もいました。
イマイチな点がちょっと長くなりましたが、簡単にまとめますと以下の2つになります。
・長時間のトレーニングをするなら股間の痺れ対策が必要 ・立ちこぎでリアルな負荷をかけての練習は出来ない
本格的なロードバイクのトレーニング器具として使おうとすると、このあたりの不満点が目立ってきてしまうかなと感じました。
NEXGIM MG03はフィットネスバイクとして非常に優秀!
イマイチな点を長く語ってしまいましたが、総合的に評価するならば、NEXGIM MG03はAI機能をまったく使わなかったとしても非常に優秀なフィットネスバイクです。
細かく設定できてなおかつ強力で静音な負荷ユニットに、無段階調整可能なサドル高、さらには耐荷重は安心の110kgまで対応と、小柄で華奢な方から大柄でパワフルな方まで幅広く使えます。
ハンドルの高さが変えられない点が非常に惜しいのですが、本格的なロードバイクの練習機材としてではなく、あくまでエクササイズ用品として使えば十分に活躍してくれます。
さらに、アプリを活用すれば単調なトレーニングでは飽きてしまう人も楽しみながら運動できますので、個人的にはかなりオススメの商品です!
実際に漕いでいる様子や、騒音などはYouTubeに動画を公開していますので、そちらも合わせてチェックしてみてください。
不満点を解消した新モデル『QB-C01』が登場したが重量とお値段もアップ
ハンドルの高さを変更できない点が大きな弱点となっていたMG03ですが、そんな弱点を解消した新モデル『AIフィットネスバイク NEXGIM QB-C01』が登場しました!
ハンドルの高さ調整が可能になったほか、サドルは前後にも調整できるようになっていたり、脚部スタンドにはキャスターがついて室内での移動がしやすくなっていたりと全体的にかなりの改善が見られます。
ただし重量がさらにアップしてC01は35kgとなっていますので、キャスターで移動できるかはかなり怪しいところですね…。
また、定価も税込72,880円とMG03よりも1万円ほどアップしており、一方でMG03はAmazonや楽天のセールで割り引かれることも多く、実際の価格差は定価の金額差以上に大きいでしょう。
そのため、たとえ高くてもMG03にあったような細かい不満点を無くしたいと感じる人にはC01はアリですが、高品質なフィットネスバイクを少しでも安く手に入れたい方にはMG03がおすすめです!
お財布事情とも相談しつつ、あなたに合ったフィットネスバイクを選んでみてください!
コスパ重視モデル『MG-061E』も出たけど…
さらにさらに、2023年にまた新たな機種『NEXGIM MG-061E』も登場しました!
こちらはハンドルの高さやサドルの前後調整といった機能を備えつつ、お値段は定価で58,800円とMG03と同程度に抑えられたコスパ重視モデルと謳われています。
…なのですが、変速の段数が80段階から24段階へと大幅に減らされてしまっています。
ロードバイクガチ勢からすると、変速段数は細かければ細かいほど良いです。
と言いますのも、ペダリングは回転数を一定にキープして回し続けるのが基本であり、フィットネスバイクの場合は「その回転数をキープできる負荷に適宜調整する」というのが最適なトレーニング方法です。
そのため変速段数が減る…つまり、1段階ごとの負荷レベルの差が大きくなるというのは回転数をキープするのにちょうどいい負荷へと調整しにくくなるというデメリットに繋がります。
また、負荷ユニットもMG03やC01の電磁負荷式から、MG-061Eは電動マグネット方式へと変更されている点も気になるところですね。
MG-061Eは試していないため実際の踏み心地は未知数ですが、個人的にはMG03からの買い替えはデメリットの方が大きいかなというのが正直な感想です。
また何かあれば追記いたします!