公共交通機関が充実していない地域に住む場合、生活するのに無くてはならないのが自動車です。
私が住んでいる静岡県の沼津市も、バスや電車もそこそこ走ってはいるものの、車の無い生活は考えられません。
ちなみにこれまではHONDAの軽自動車「N BOX」の初期モデルに5年半ほど乗っていました。
キャンプ用品をこれでもかと積んでもまだまだ余裕な広さが魅力で、丸5年以上乗っていて、エンジンのパワー以外にほとんど不満を感じていませんでした。
そうしたことから「次の車はN BOXのターボ付きにしようか…」と考えていたのですが、何を血迷ったのか真逆とも言えるようなコンセプトの車であるHONDAのS660を買ってしまいました。
今回は、2018年の6月に納車したS660に半年ほど乗った感想をお話しします。
HONDA S660とは
HONDA S660は運転席と助手席のみで構成された2シーターのスポーツタイプ軽自動車です。
エンジンが車の中心付近に配置されているミッドシップ方式や、ルーフ(屋根)を外してオープンカーとしても走れるなどなど、尖った特徴が詰め込まれています。
「可愛い」と「格好良い」のバランスが絶妙
私はもともとスズキ カプチーノやダイハツ コペンなどのコンパクトでスポーティーな車が好きでした。
そうした車を新車で購入したいと考えた時、2018年現在で選択肢として挙がるのはS660とコペン系統の2択。
私もその2種類で悩みましたが、コペンは「格好良い」よりもちょっと「可愛い」に寄せた外見をしています。
それに対しS660は可愛さと格好良さのバランスが絶妙なルックスをしていると感じ、2015年の発売以降、ずーっと気になっていました!
この滑らかなリアのデザインなんてたまりませんね!
実用性に欠ける2人乗りの車を買った理由
2015年の発売以降どころか、発表があった時点で「格好良い…欲しい…」とS660に惹かれていました。
しかし、当時は付き合っていた人との結婚等も考えていたこともあり、家族が増えたりなんてことを考慮すると、実用性に乏しい2シーターの軽自動車なんて買ってる場合ではありません。
ところが2018年になり、色々あって別れることになりました。つらい。
今後新しく付き合う人がいたとしても、1~2年で結婚したりすることは無いだろうと考え、「それならS660を買うなら今しかない!」と決意したことが購入の決め手に。
上位グレードのαを選択
S660にはαとβの2グレードが存在しますが、私は上位のαグレードを選択しました。
定価の差は20万円で、主な違いは以下。
- クルーズコントロール
- αのみのカラーバリエーション
- 内装が高級感のあるデザインのものに
- ホイールデザインの変更
クルーズコントロールに関してはあったら便利だとは思いますが、そこまで必要だとは思っていませんでした。
カラーバリエーションはαですとブルー・イエロー・レッドの3色が増えますが、私はβでも選択可能なホワイトを購入する気満々でしたので、これまたどうでも良い違いですね。
内装についてはレザーシートになったり、一部がクロームメッキになったりと高級感が出るのですが、メッキは指紋が付きそうで正直微妙な気持ちでした。
では何故「私がαを選んだのか」ですが、理由はただ1つ。
ホイールのデザインが好きだったからです。
αのホイールはシルバーとブラックで引き締まった印象を受けるのに対し、βのホイールはシルバー単色でのっぺりとしたデザインになっています。
「ホイールなら後からオプション品を購入すれば良いのでは…?」と思うかもしれませんが、オプション品よりもαグレード装備のホイールデザインが好きだったんですよね。
このαグレード用ホイール、カタログには載っていないものの後での交換が可能…
なのですが、後で購入しようとするとホイールだけで20万を超えてしまうとのこと。
20万の価格差は決して小さくはないですが、ホイールだけは妥協したくなかったのでαを選択しました!
半年間、S660と過ごしてみて
さて。
それでは2018年6月の頭に納車してから約半年走った感想を、これまでに乗っていたN BOXとも比較しながらお伝えします。
重心の低さによる安定感のある走り
「これまでが真逆のコンセプトの車であるN BOXに乗っていたから」というのもあるのでしょうが、重心の低さによる安定感の高さは乗っていて非常に心強いです。
風を受ける面積も小さくなることから、台風のような強い横風の時でもハンドルを取られることがありません。
通勤で新東名高速道路を毎朝走っているのですが、標高がちょっと高めだからか結構強い風が吹くんですよね。
そんな時、横風を受けても気にならずに走れる安心感がありがたいです。
上り坂や高速道路への合流が快適になる加速性能の高さ
ターボに加え、車自体の重量が100kgほど軽くなったこともあって、加速…特に上りでの快適さは段違いですね。
N BOXで「…よいしょー!」とアクセルを踏んでからワンテンポ遅れて加速していたような坂道も、S660では軽くアクセルを踏むだけですいすい上ってくれます。
スーッと気持ち良く加速できるため、高速道路等への合流時もスムーズです。
実燃費は18km/Lほど
実走行時の燃費は1リッターで17~18kmほどと、これまで乗っていた初期モデルのN BOXとほぼ同じ程度。
ガソリンタンクは約22リットル入るため、満タンにすれば400km程度は走れます。
低燃費を謳う最近の軽に比べるとさすがに劣りますが、スポーティーな車でこれだけ走ると考えると驚きですね。
シルビア乗りの知人が「リッター4kmしか走らないよ…」なんて嘆いてましたが、そうした車を趣味として乗るのはともかく、通勤などの日常の一部に組み込むのはなかなかつらいところ。
リッター20km弱を走ってくれるのであれば、通勤で使用しても問題の無い燃費性能です。
オープンにして走るのが気持ちいい
S660を買ったその日に感動したのが、オープンにして風を切りながら走る気持ち良さです。
夏の日差しや冬の澄んだ空気など、四季を感じながらドライブできます。
こうした感覚は自転車で走っていた時期を思い出しますね。
太腿からお腹辺りにちょうどエアコンの風が当たる「ミッドモード」も用意されており、暑さ・寒さが気にならずにオープンカーでのドライブを楽しめます。
こんな景色を見ることが出来るのもオープンカーならでは。
ここ最近も寒空の中をオープンにして走り、休憩時にコーヒーを飲みながら冬の澄んだ空を眺めてまったりしています。
屋根の付け外しは手動
S660の屋根はロールトップと呼ばれるタイプで、巻いて折り畳むことで収納します。
オープンカーと聞くとボタンをポチっと押すだけで開閉できるイメージが一般的ですが、S660は手で付け外しする必要があります。
当然ですが運転中の開閉は不可となりますので、少しでも雨が降りそうな時などは濡れるリスクを考えるとオープンにして走ったりは出来ませんね。
付け外しを頻繁にしない人は、別売りのハードトップに交換するという選択肢もあります。
ボディー剛性や防犯性能の向上に効果があると言われており、他メーカーから黒以外のカラーも販売されているので、車のイメージチェンジとして利用することも可能です。
外したルーフはボンネット内の収納スペースに入れておけますが、助手席に人を乗せない日は面倒なので助手席の足元に置いています。
荷物は載せられない
荷物を載せるスペースは皆無と言っても良いですね。
エンジンが後方に搭載されているため、トランクなんてものはありません。
また、ボンネット内も折り畳んだ屋根を収納するスペースはあるものの、手荷物を載せるのは避けた方が良いでしょう。
1人で乗る時には助手席や、その足元に載せられますが、助手席に人がいる時にはどうしたら良いのやら…
標準ではドリンクホルダーもこんな使いにくい位置に1ヶ所のみという構成です。
オプションで専用ドリンクホルダーを取り付けましたが、専用設計ということで割高なのかホルダー単体で約6,000円。
ロードバイクで使用するカーボン製のドリンクホルダーですらもっと安いぞ…とちょっと引きながらも、納車時に合わせて購入しています。
ちなみにこのドリンクホルダーですが、私が毎朝のように購入するローソンのメガアイスカフェラテのカップは入りません。つらい。
現在は純正ドリンクホルダーと同じネジ穴を利用して取り付けられるアームとスマートフォンホルダーも取り付けていますが、これがなかなか便利ですね。
限られたスペースを有効活用している感が楽しいです。
また、荷物スペースが限られているからこそ楽しみが増える場合もあります。
私の趣味の1つはキャンプなのですが、ここ最近は「S660でキャンプに行くため」という観点で、コンパクトさを重視して道具選びをするのが、とにかく楽しいです!
『S660キャンプ』を実現するために購入したキャンプギアについては、キャンプブログ CAMPERSで紹介しています。
小さく低い車は洗車も簡単!
自分の頭どころか胸よりも低い車になったことで驚いたのが洗車の手軽さです。
脚立や踏み台なんて必要無く、ボディの表面積も小さいので、あっという間に洗車が終わります。
納車時にホンダのちょっとお高いコーティングをしたことで専用の洗車グッズをもらいましたので、自分で洗車をする際にはそれを使用しています。
ガソリンスタンド等で洗車をしてもらう場合にも、その車体の小ささゆえに最も安いプランで対応していただけるのも嬉しいところ。
最後に
2018年上半期の買って良かった物としても紹介したHONDA S660ですが、それから更に数ヶ月乗り、ますます気に入っています。
停めている車を見る度に「この子、ほんっとに可愛いな…」と毎回親バカな気持ちを抱いてしまうほど。
荷物を載せられるスペースが全くと言って良いほど無いものの、そのあたりも含め不便を楽しむ車だなと。
S660だけで全てを済ませようとするのは厳しいですが、キャンプ時にはこれまで乗っていたN BOXで行けば良いですしね。
この記事だけではS660の魅力を語り尽くせないため、今後もS660を紹介していきますので、楽しみにしていてください!