先日、久しぶりに映画を見てきました。
見に行ったのは「劇場版Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い」です。
Fateシリーズ大好きな私ですが、その中でもプリズマ☆イリヤ(以下プリヤ)は特に好きで、劇場版制作決定の発表時点で見に行く気満々。
しかし残念ながら私の住んでいる静岡では上映している映画館が無かったので、新宿まで足を運んで来ました。
本日は、原作である漫画版プリヤをがっつり読んだうえで映画を見てきた感想をお話しさせていただきます。
なお、この記事では劇場版及び原作8巻までのネタバレを含みますので、ネタバレをされたくない人はブラウザバック推奨です。
漫画版プリズマ☆イリヤについて
プリヤは漫画もアニメもシリーズが多く複雑になっているので、アニメ・映画が漫画版のどのあたりに相当するのかを簡単に説明します。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 全2巻
アニメ1期分とほぼ同じです。
イリヤが魔法少女となり、7枚のサーヴァントカードの回収を行います。
この頃はまだ作画も可愛いほんわり系の絵柄ですね。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ! 全5巻
ツヴァイ!の全5巻には、アニメ版ツヴァイ!(2期)とツヴァイ ヘルツ!(3期)及び、ドライ!!(4期)の冒頭部分のストーリーが収まっているため、アニメ版を見てからだと展開の速さに驚くかもしれませんね。
特にアニメ3期ツヴァイ ヘルツ!は全10話の半分近くが日常パートとなっていましたが、漫画版ツヴァイ!はクロ→バゼット→ギル→ベアトリス・アンジェリカとほとんど立て続けに戦闘が始まるため、息つく暇もありません。
キャラデザインがよりシャープになっていったのもツヴァイ!あたりからですね。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!! 1〜9巻(連載中)
現在連載中のプリヤ最新シリーズです。
最新と同時に最長のシリーズでもあり、2017年9月時点で9巻までが発売中。
1〜6巻がドライ!!(アニメ4期)、7〜8巻分のストーリーが映画「雪下の誓い」に当たります。
正確には、雪下の誓いで描かれているのは8巻の内容の8割ほどですので、映画視聴後に「続きを読みたい!」と感じた人は9巻ではなく8巻から読み始めるのをおすすめします。
雪下の誓いについて
まずは「雪下の誓い」についての全体的な感想、そして映画の概要について。
映画全体の感想ですが、大満足!最高!に尽きます。
原作であらかじめ読んでいた私としてはありのままを映像化してくれれば満足と考えていましたが、雪下の誓いは期待以上の内容でした!
雪下の誓いはプリヤドライ原作7〜8巻のストーリーが描かれています。
イリヤ達のいる世界に来る前、美遊達に何があったのかが明らかになります。
プリズマ☆イリヤの劇場版ですが、イリヤの出番はほとんどなく、ポスターやパンフレットの表紙にもイリヤの姿はありません。
雪下の誓いにおける主人公は衛宮士郎で、士郎の視点で物語が進んでいきます。
プリヤシリーズだけでなくFateシリーズ全作品の中でもかなりハードな展開となっており、映画後半からの士郎の痛々しい表情が心に残ります。
大スクリーンで行われる激しい戦闘は迫力満点で、剣と剣がぶつかり合った時の金属感溢れるサウンドもたまりませんでした。
原作との相違点
原作7〜8巻に当たる士郎の過去編が描かれる雪下の誓いですが、その内容は完全に原作通りではありませんでした。
士郎と美遊が兄妹として絆を深めていく日常パートは原作以上に長く、そして丁寧に進んでいきます。
星空の下で「本当の兄妹になりたい」と美遊が願いを話すシーンでは美遊の瞳のハイライトが変化するのですが、原作を読んでいたのにも関わらずジーンとしてしまいました。
日常パートでは士郎と美遊だけでなく、士郎と桜、士郎とジュリアンといった学校での人間関係が描かれ、Fate/stay nightの冒頭部分のような印象を受けます。
前半でほんのりしっとりとした展開が丁寧に描写されることにより、後半の落差が原作以上に衝撃的ですね。
原作を読んでない人が雪下の誓いを単体で視聴したとしても、士郎の喪失感が強く伝わることでしょう。
ケイネス先生のご活躍!
原作との相違点との1つで、アサシン・セイバー以外のカード保有者との戦闘もやや長めに描かれるという点があります。
これがまた素晴らしく、stay nightをオマージュしているかのような内容になっていたりとニヤニヤしっぱなしです。
中でも熱かったのがランサーのカード保有者、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトとの戦闘です。
なんと、ケイネス先生ご自慢の魔術「月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)」とランサーの槍術を組み合わせて戦うシーンが描かれます!
Fate/Zero視聴者ならばこの演出は胸熱ではないでしょうか。
始まりに至る物語。「Fate/Zero」がAmazonプライムビデオに登場
逆にセイバー戦は士郎の心理描写がやや少なく、「他のカード保有者とはひと味違う感」が不足しているようにも感じました。
気になった点
大満足な雪下の誓いでしたが、気になったポイントも存在しました。
先に言っておくと映画全体が良すぎたために、些細なことが気になった程度のお話です。
セリフのカット
アニメ版プリヤドライで気になったのが一部セリフのカットです。
力帯(メギンギョルズ)で倍化した腕力でも千切れねェ…!!
こちらはベアトリスがギルの天の鎖(エルキドゥ)に捕われた際に言ったセリフですね。
このようなセリフのカットは雪下の誓いでもいくつか存在しました。
なるべく専門用語を使わないようにとパンフレットのインタビューで語られていたので、あえてそういったセリフをカットしているのかもしれませんね。
そういったアプローチだとしても、個人的に好きなセリフもいくつか削られてしまったのは残念です。
ハリボテとは言え、神造兵装を投影してなお…
このアンジェリカのセリフは厨二感があって好きでしたが、これもカットでした。
そういった設定でニヤリとしたい人はぜひ漫画版プリヤを読んでいただきたいです。
ギャグシーンのカット
尺の関係なのかは不明ですが、アニメ版プリヤはドライ以降ギャグシーンをカットしてくる傾向が多く見られます。
ドライでは「ベアトリスが溺愛しているジュリアンがアイドルではなく同じ組織の親玉である」という事実を知ったイリヤが取り乱すシーンがカットされていましたね。
雪下の誓いでもそのようなギャグシーンの省略がちらほら見られました。
平行世界の生徒会長は柳洞一成ではなくジュリアンであるという情報に驚くシーンや、ジュリアン・アンジェリカに倒された士郎が介抱された際にラーメン屋の格好をしている言峰に言及するシーンもカット。
前者はともかく、後者に関してはシリアスな雰囲気を中和すること無く進めようという明確な意思が伝わってきました。
個人的にはプリヤのギャグシーンはシリアスなストーリーの息苦しさからホッと解放してくれる重要なポイントですので、ちょっと残念でもあります。
しかし、雪下の誓いを1つの作品として視聴した場合には雰囲気の一貫性が取れているのでこれもまたアリだなとも感じました。
エミヤインストール時の構図
漫画版の構図をそのまま使ってくれる箇所も多くありましたが、ちょっと気になったシーンが1つありましたので言及させていただきます。
アサシンのカード使用者との戦闘中、どの英霊とも繋がっていないクズカードを使ってエミヤを夢幻召喚(インストール)した衛宮士郎。
インストールした瞬間、原作で言うところの7巻最後の見開きページにあたるシーンですね。
原作絵の迫力が凄まじく、そのシーンは原作通りの構図でがっつり数秒間かけて映してほしいと感じていましたが、映画では割りとあっさり終わってしまった印象を受けました。
アサシン戦の疾走感は素晴らしかったですが、その点だけが心残りです。
逆に原作での構図そのままに映画でも映してくれたのはUBW発動後にアンジェリカと対峙するシーン。
広がった雪原は原作で受けた印象よりもさらに暗く、「俺にはこの全てが墓標に見えるよ」と告げる士郎にゾクリとさせられました。
Heaven's Feel予告映像が流れなかった
雪下の誓いに直接関係しませんが残念だったポイントが1つ。
私と同じくFateシリーズ大好きなブロガーのyamapi(id:yamapi33)さんがプリヤ劇場版を一足先に見に行っており、その感想を聞いていた時に気になる情報を教えていただきました。
その内容とは劇場版「Fate/stay night[Heaven's Feel]」(以下HF)の予告映像が流れ、スクリーンで見ることが出来たというもの。
スタッフの「わかってる」感が色々感じられました!
— yamapi (@yamapi33) 2017年8月28日
上映前の予告でHF1章の予告編が大画面で観られたのも良かったですわ…
YouTubeで公開されている予告映像は何回も繰り返し見ていますが、映画館の大スクリーンでも見てみたいとワクワクしていましたが…
残念ながら、私の訪れた角川シネマ新宿では流れませんでした。
角川シネマ新宿ではHFを上映しないのかもしれませんね。
予告映像をスクリーンで視聴できなかったのは残念ですが、HFは私の住んでいる静岡の沼津でも上映が決定しているので、10月の公開を楽しみに待つことにしましょう。
雪下の誓い、上映劇場の追加が決定!
予想よりも大きくヒットしているのか、9月30日以降に上映劇場の追加が決定しました。
なんと私の住んでいる沼津でも上映するようになります。
何度も見返したい映画でしたので、近くの映画館で上映してくれるのは滅茶苦茶嬉しいですね。
最後に
記事冒頭でも語っていますがとにかく大満足な映画でした。
プリヤって魔法少女モノでしょ?
Fateシリーズは好きだけど軽そうな内容のものはちょっと…
こんな理由を付けてプリヤシリーズをこれまで敬遠していた人は、漫画でもアニメでも良いので一度見ていただきたいですね。
そしてプリヤにハマったならば、雪下の誓いを必ず映画館の大スクリーンで楽しんでほしいです。
もしも上映している映画館が遠かったとしても足を運ぶだけの価値がある映画だったと、自信を持っておすすめします。
Blu-ray・DVDも発売!
「劇場版Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い」のBlu-rayとDVDが発売されました。
現在はまだ限定版の在庫もありますが、特典狙いのファンは早めに入手することをおすすめします。
限定版のみの特典は以下。
- 原作者ひろやまひろし描き下ろしイラスト三方背BOX
- キャラクターデザイン平田和也描き下ろしオリジナルデジパック
- 完全新作ショートアニメ&キャストコメント映像(出演:杉山紀彰、名塚佳織、門脇舞以)
- 「PRISMA material/petit」※原作者ひろやまひろし書き下し特別小冊子
- 劇場版プリズマ☆イリヤ GUIDE of The vow in the snow ※劇場版パンフレット縮刷版
- 映像特典(劇場版PV/予告/発売告知CMほか)
劇場で観た方もそうでない方も、プリヤシリーズ…いや、Fateシリーズ屈指の名作と呼んでも過言ではないこの作品をぜひお家でも楽しんでください。