クラウドファンディングサイト「Makuake」にて、株式会社グローバルオフェンス iina-いのべのプロジェクト「Micro-USB・Lightningマグネットケーブル」が大炎上中です。
実は私もこのプロジェクトに出資しており、当ブログでも何回かご紹介してきました。
これまでも度重なる遅延はあったものの、それはクラウドファンディングなら許せる範囲のことでした。
しかし今回、とうとう私も許せないと感じる発表がありましたので、今回はこれまでの経緯等も含めてまとめていきます。
- 最初に
- 2月末、予定通りな進捗?
- 3月末、1度目の遅延報告
- 他社製品の輸入販売?
- 3月末、出荷予定の連絡が来た!
- 4月5日、出荷の連絡が…あれ?
- 4月7日、とうとう正式回答が
- 4月20日、もはや恒例行事の遅延発表
- 4月21日、突然のデザイン変更
- 続々と挙がってくる不具合報告
- 充電できない端末があることを知っていたうえでの出荷
- お詫びと注意
- 最後に
- 2016/05/12 進展がありました(進んだとは言ってない)
- 2016/07/03 とうとう届きました
最初に
今回のプロジェクトでは、「ええっ?」と感じるようなネガティヴな発表が何度も行われてきました。
中には最初の頃の発表で見限った人もいるようですが、私はこのGWまでは期待を寄せ続けていました。
まずは私が「許せる」と判断した発表から時系列順に紹介していきましょう。
皆さんが出資者だったとして、どの辺りでドロップアウトするか、はたまたそれでも信じ続けるのか、そんなことも考えながら読んでみてください。
なお、かなりの長文となっております。
誤字脱字等ございましたらご指摘いただけると幸いです。
それではどうぞ。
2月末、予定通りな進捗?
当初の予定では
製品のお届けは2月下旬から3月中旬の予定
となっていました。
2月時点での進捗報告でも
お約束の3月中旬頃までに間に合う予定でございます。
と発表されており、この時点ではギリギリ予定通りといったところですね。
この発表では、私含む出資者の多くは3月を楽しみにしていたことでしょう。
3月末、1度目の遅延報告
Micro-USBマグネットケーブルのお届けが4月上旬〜中旬、
Lightningマグネットケーブルのお届けが4月中旬〜下旬
この時点で1度目の遅延発表です。
正確にはこの少し前にも「少し遅れそう」という連絡はありましたが、正式に新しい時期が明記されたのはこれが初ですね。
ここで気になるのが遅れる理由です。
一部端末で充電できない問題の解決
ケーブルを外す際にアダプタが端末から外れにくくなるようアダプタ形状、大きさの調整
公式によると以上の理由で遅れが生じたようです。
この件について
問題の解決に予定より時間がかかってしまいました。
とあるように、どうやら問題は解決したようです。
ここが後々重要になってくるポイントですので、よーく覚えておいてくださいね。
さらに実はこの頃から、ある疑問が騒がれるようになっていました。
他社製品の輸入販売?
こちらを御覧ください。
http://www.amagic.com/index.php/electronics/magcable/magcable.htmlwww.amagic.com
わぁ、そっくり(棒読み)
こちらは海外のクラウドファンディングサイトKickstarterで出資を募って製品化された商品ですが「こちらのロゴを付け替えただけではないのか」という声がちらほらと挙がっていました。
ちなみにその時点でiina-いのべ代表からは特に回答を得られていなかったと記憶しています。
き、きっと似ている商品なのでしょう。
なんといっても自社事業部紹介で
革新的な製品を開発
と繰り返しアピールしていますからね。
開発・モノづくりを積極的にアピールしていたのに色々やらかしていたUPQなんて会社もあったような…
回答が得られない時点でもう結果がなんとなく見えていますが、ここは出資者として「忙しい中頑張ってくれているんだろうなぁ」と好意的に解釈しておきましょう。
それでは引き続き、公式からの発表の続きを見ていきます。
3月末、出荷予定の連絡が来た!
Micro-USBマグネットケーブルの出荷を4月9日前後から始めさせて頂く目処は立っておりますのでご安心下さいませ。
調整は全て終了しており製品版の生産中です。
とうとう出荷予定連絡が来ました。
「4月9日出荷なら早ければ11日くらいには届くかな?」と私はウッキウキでした。
この頃にも「他社商品ではないか」という他の人からの質問には回答が来ていなかったものの、私はそれでも「良い商品なら他社製造でも良いかな」とそんなに気にしていませんでした。
4月5日、出荷の連絡が…あれ?
工場より出荷されるのが4月9日に決定しました事をご報告させて頂きます。
中国の工場にて生産しておりますので、日本の弊社に到着するのが4月12日〜14日の予定です。
到着次第順次発送させて頂きますので、どうぞ引き続きよろしくお願い致します。
えーと…あれ?
ああ、「工場より出荷」が9日で、発送はそれ以降なんですね。納得納得。
…なんて思うわけないんですよねぇ。
商品の到着を待っている側としては「工場から会社への出荷日」なんて情報よりも「自分の元に届くのがいつか」が知りたいと思うはずです。
とはいえ嘘を吐かれたわけではないので、ひとまず落ち着きましょう。
問題はサラッと書かれた一言「中国の工場にて生産」です。
この件について、大きく分けると3種類の反応がありました。
そんな情報は聞いていない。詐欺だ。
製造だけ中国でやってもらってるだけでしょ。イマドキ普通じゃない?
やっぱりaMagic社の商品だろ。
ちなみに私は2でした。
先ほども書きましたが「良い商品」ならばどこで作られていようが問題ないと思っています。中国企業のHuawei Watchも愛用していますしね。
とはいえ自社開発をアピールし続けたプロジェクトではあるので、1の反応を示された人の気持ちもわかります。
4月7日、とうとう正式回答が
4月9日頃に工場を出て、日本に到着するのが4月12日〜14日頃となり、皆様のお手元に届くのは、その後の弊社での検品を経て、4月末日までを予定しております。
はい。さらっと書かれていますが4月末日までと延びてますね。
もう時期には期待していないので「あっ、そうすか」という程度の印象しか受けません。
それでは多くの人が気になっていた、開発元の発表へ。
香港のaMagic社製品の端子と ICチップを改良した製品となっております。
具体的な改良ポイントとしては、 「端子が外れにくい点に対する改良 」「日本で多く使われている端末への対応 」となっております。
どうなんでしょうね、これ。
正直、本当に改良されているなら私はアリなんですよ。
クラウドファンディングと言いつつその実がただの輸入販売業者だったとしても、より良くなっているのなら私には問題ないのです。
もちろん気にされる方は多くいらっしゃると思います。
「こんな面白い商品開発するよ!賛同してくれる人は資金よろしく!」というのがクラウドファンディングなのに、今回の場合では既にほぼ出来上がっている「他社の商品」をあたかも自社のアイデアというように発表し、資金だけ簡単に集めるという汚いやり方を取っていたわけですから。
憶測ですが、今回のプロジェクトが予定通りの日程で進んでいたらこの発表も無かったのではないでしょうか。
遅延が重なり出資者の不安・不満が溜まり、疑問の声が無視できないほどに大きくなってきたから仕方なく答えた、というように思えてなりません。
とはいえ私は「良い商品なら文句ないから早く送ってくれ」派です。
この時点では当然ドロップアウトしていません。
そろそろ「私がどんなきっかけでこんな記事を書くほど怒ったのか」が楽しみになってきたのではないですか?
それではまた発表の続きを。
4月20日、もはや恒例行事の遅延発表
生産設備のトラブルにより生産に遅延が生じておりまして、もうしばらく皆様に商品をお届けするのに時間を要しそうでございます。
Micro-USBマグネットケーブルが4月18日、中国より空路にて発送されましたことを確認いたしました。
弊社に到着しますのは、22日〜25日となりまして 検品次第順次発送させて頂き、 全ての発送が完了するのが4月末〜5月上旬の予定となっております。
いったい何度遅延させれば気が済むのか…
呆れはしますが、もはやこんなことでは辞めません。
もはや遅延発表に耐性が付いている私にとってこんな発表は何のダメージにもなりませんよ。
というわけで次にいきましょう。
4月21日、突然のデザイン変更
この日に公開された写真がこちら。
これまでのイメージ写真がこちら。
明らかにロゴが濃くなってますね。
これまでの遅延って、まさかこのロゴをペタペタ貼り付ける為に要した時間だったのでしょうか。
イメージ写真と変更があるというのは誰もが理解して出資しているとは思いますが、この「うちで開発した商品です!」と主張してくるようなロゴのために、これまでの遅延がほんの少しでも関わっていたのかと想像すると、気持ちのいいものではありませんね。
とはいえこれまで数ヶ月待ってきた私です。
使い勝手が「良い商品」ならデザインがちょっとくらい悪かったとしても我慢できます。
それから約1週間、とうとう出資者の元に商品が届き始めたようです!
残念ながら私には発送連絡がまだ来ていませんが、楽しみになってきましたね!
一番にレビュー記事を書けないのは残念ですが、他の人のコメントを見てみましょう。
すると…
続々と挙がってくる不具合報告
Xperiaで使えない
AQUOS Phoneで使えない
Ankerの電源タップで使えない
などなど、不具合報告が「個体差」とは言えないくらいに挙がってきております。
どうやらキャップレス防水端末は軒並み厳しいようで。
私がマグネットケーブルを利用しようとしている中にもQua tab 01というキャップレス防水端末があります。
それに、Ankerの電源タップも利用していますね。
その他のレビューが聞きたい方はこちらの下の方へどうぞ。
マグネットでかんたん接続&取り外し、革新的な充電ケーブル!煩わしさを解消 コミュニケーション 詳細 45911|Makuake(マクアケ) - アタラシイものや体験の応援購入サービス
この時点ではまだ「結局ダメだったか…」と残念に感じるだけでした。
私が我慢できなかったのは次の発表です。
充電できない端末があることを知っていたうえでの出荷
AQUOS PHONE ZETA (SH-01F)、ARROWS NX (F-02G)、AQUOS PHONE Xx mini (303SH)では、充電できない状況を把握していたにも関わらず出荷しておりました。
全文はこちら。
馬鹿にするのもいい加減にしろよ?
「不具合あるのはわかってたうえで出荷しました」って、何のための検品だったんだよ。
最初の遅延の原因でも「一部端末で充電できない問題の解決」って言ってたよな?
aMagic社の商品からの改良点も「日本で多く使われている端末への対応」じゃなかったんですか?
それが結局「国内向け端末で使えないです」「使えないのを知っていたけど出荷しました」「騒がれたので正式に発表します」って「自社開発をアピールする企業」のやり方なんですか?
これまで言っていた事が全て崩れ、「良い商品」でもないことがわかった今、もはや私に待つ理由はありません。
近日中に返金対応をしていただくことにしましょう。
ああ、ちなみにGW中は出荷を停止し、返金は月末らしいですよ。お休みしているのでしょうかね。
そういえばこの商品、だいぶ前からAmazonでも予約開始してるんですよ。
そちらへの対応はどうするつもりなのでしょうか。
お詫びと注意
途中、言葉が乱暴になってしまい申し訳ございません。
長く期待し続けたプロジェクトがこのような形で失望することになるとは夢にも思っていなかったのです。
もちろんクラウドファンディングはあくまで「出資」であるため、失敗に終わるプロジェクトは多々あります。
しかし、今回の「株式会社グローバルオフェンス iina-いのべ」のやってきたことは単なる失敗ではありません。
汚い部分を最初から隠し、指摘されてもすぐには回答せず、疑問の声を抑えられなくなってきてようやく回答、さらには欠陥商品とわかっているうえでの出荷、遅延理由も全て出鱈目と取れるような結果です。
これを「モノづくり」を真剣に行っているプロジェクトの失敗と一緒にしたくはありません。
最後に
当ブログでも過去に紹介したように、このプロジェクトにはかなりの期待を寄せていました。
それが今回の、出資者を馬鹿にしているとしか思えない対応で完全に見限ることに。
それでも購入する!という人まで止める気はありませんが、この会社の商品を購入をされる場合はくれぐれもご注意ください。
私はおそらく、今後いかに素晴らしい商品が出たとしてもこの株式会社グローバルオフェンス iina-いのべの商品は二度と買わないでしょう。
それと、クラウドファンディングという仕組み自体は素晴らしいと考えています。
資金の少ない人や企業が、アイデアや開発力で魅力的な商品・サービスを作り出すことができます。
Nextbit Robinや完全栄養飲料COMPはその好例ですね。(※Robinは遅延もありましたが、最後まで作り遂げてくれました)
今回のようなクラウドファンディングのイメージを悪くようなプロジェクトが淘汰されていき、より良質なプロジェクトだけが残り、気軽に出資できるような流れが日本でもできていってもらいたいですね。
その為にも、私は今後も積極的に出資をしていき、魅力的な商品の情報は発信させていただきます。
それではまた。